あちらではインフィニティG37です。米Road&Track誌での2車比較記事より。
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1位 インフィニティG37:より多くのマッスルと技術によって、BMWの輝きを低予算で提供する。
2位 BMW 335i:依然として崇高で卓越なダンスパートナーである。しかし、G37には少し慌てるであろう。
記事抜粋
少し前にセダン同士を比較したばかりだが、これらクーペは単にリアドアがなくなっただけではない。BMWはホットなツインターボエンジンを投入し、対するインフィニティはVQエンジンを3.7Lに増量し、可変バルブタイミング&リフト機構も追加した。馬力ではインフィニティが勝るがトルクではBMWが勝る。今回のインフィニティは4-W-A-Sを装着している。クーぺはセダンとは全く異なるものである。例えば、実用性はあまり重要ではない。
ドラマはアラバマのバーバーモータスポーツパークで始まった。全長2.4マイルのサーキットは16個のコーナーと80フィートの高低差がある。インフィニティはこの場所を借り、G37のお披露目を行ったのだ。
G37の6速MTは我々の愛した先代3シリーズと同等の正確さを備えているが、現行モデルには負けている。
BMW335iとG37それぞれATモデルを選択し、我々はフォートペインを目指して北上した。100マイル余りを、クルマを交換しながら走行し、インフィニティの方が親しみやすいことが分かった。キーレスエントリーは標準装備であるし(BMWでは$500)、ブルートゥースはより直感的に使える。A/Cとラジオはトラディショナルなボタンでも、i-Driveのようなスクリーンでも、ボイスでもコントロール可能である。なお、ちょっとした問題点だが、BMWのラジオディスプレイは偏光サングラスで見ると黒くなって読めない。
身長6フィート3のテスターは、室内はBMWのほうがより快適だと評価したが、G37の長いテレスコピック調整幅を歓迎した。
100マイルの行程には荒れたフリーウエイもあった。G37はBMWと比較すると少しシャープ目の乗り心地だが、ほぼ全ての衝撃を問題なくこなした。
フォートペインの街から数マイルのところに、スムースかつ程よくカーブのある、エンスージアスティックなクーペオーナーが好みそうな道がある。軽い雨と霧で路面の状態が悪かったので、全ての電子制御デバイスはオンのままであった。しかし、両車が装備するポテンザ050Aは驚くべき粘りでグリップした。
スムーズに運転していれば、インフィニティのスタビリティコントロールはパワーを殺さない。ステアリングは自然な感覚であり、カーはシャープに、かつ予想通りに曲がる。そこにアクティブステアの介入を感じる事は無い。BMWの(ノンアクティブ)ステアリングはやや軽めだが、正確さではインフィニティと同等である。
BMWのツインターボエンジンは、時々右足の意思以上のトルクを出してくる。加えてリミテッドスリップデバイスを装備していないので(インフィニティでは標準装備だ)、DSCが頻繁に介入してくる結果になる。
BMWの6速ATは、より広いレンジを利して適切な加速を提供する。しかし、そのSモードはインフィニティほどスポーティではない。BMWのプッシュープルパドルはハンドルと共に回るタイプだが、我々はインフィニティやフェラーリのような固定式が好みだ。
このワインディング走行でBMWのオイル温度は280Fまで上昇した。システムダウンまで40Fしかない高温である。これはサーキット走行ではなく、気温75Fの朝である。ミュニッヒの皆さん、問題だ。低速コーナーからの脱出加速の連続によってツインターボがオイルを沸騰させるのにもかかわらず、オイルクーラーが装備されていないのだ。
オイルクーラーは、3月まではMTのスポーツモデルのみに装着される。それ以降はATスポーツパッケージにも装備されるが、BMWはリコールもしないし、レトロフィットもサポートしない。しかし、スポーティに乗りたいオーナーならば有償でも装着を検討すべきである。
この2台はいろいろな領域で僅差で争っているが、1つインフィニティが明確に負けているものがある。燃費だ。総行程400マイルの走行で、G37は18.4mpgだった。これは軽く、排気量の小さいBMWに3.3mpgの大差で負けるものである。
結論に行こう。パフォーマンスは僅差だが価格には大きな差がある。またBMWには先の油温問題がある。よって我々は小さいが明確なマージンをもってG37の勝ちと判定する。
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日本での新型スカイラインクーペ登場も近い。